インフルエンザってどんな病気?
〜大丈夫、必ず治ります〜大分健生病院小児科
インフルエンザ゙はこんなウイルス!
新型インフルエンザウイルスが流行しています。10代の子どもさんを中心に
小中学校でみられるようです。幸い、季節型ウイルスに比べて特に重症だという
印象は受けません。
インフルエンザウイルスは私たちの鼻や喉の粘膜に感染するウイルスです。
人から人に空気・飛沫(くしゃみ、唾)を介して感染する、伝染力が強い特徴があります。
潜伏期は通常24〜48時間と短く、かぜと異なり咳、鼻水、咽頭痛だけでなく高熱、
関節痛、筋肉痛、頭痛などがみられます。
同居の家族、看護した人→1〜5日以内の発熱、倦怠感、咽頭痛はあやしい・・
もしかすると、かかってしまっているかもしれません。高熱が出ない症例もあるようです。
重症化しやすい人
乳幼児、お年寄り
症状は?
@発熱(38℃以上) A急な発症(B型はゆっくりした経過も)
B全身の関節痛、筋肉痛 C頭痛 D咽頭痛、鼻汁・咳
E全身倦怠感(急にぐったり)・食欲不振 D咽頭痛
D嘔吐・消化器症状
診断は?
上記の症状に加えて、周囲でインフルエンザの流行があると診断は容易です。
来院された時期によってはインフルエンザ迅速診断キットも診断に有用です。
(鼻と喉の粘膜をゴシゴシ擦ります!!痛くてごめんなさい。)
早期は陰性で出ることもあり発熱や他の症状を考慮し検査しています。
発症早期のインフルエンザは問診、診察による診断(診たて)の方が正確です。
時間が経過してくると、高熱(38―40℃)、くしゃみ、鼻水、咳こみ、
頭痛、関節痛・・・出そろいますので誰がみてもわかるようになります。
なお適切な時期に検査を行っても陰性に出るとき、検査が間違って陰性になっている
のではと、ご両親はとても心配そうな顔をされます。ただしマイコプラズマ、
RSウイルス、プール熱の原因になるアデノウイルスなど同じような症状を起こす
病気がいくつもあります。
(職場・学校での流行、家族の発症など)まわりの流行、臨床症状が大切です!
経過は?
インフルエンザは、治るまでにおよそ1週間ほどかかりますが、
自然に治る病気です。(抗インフルエンザ薬がなくても大丈夫)
ただし高熱の時期は意識状態をよく観察して、水分を十分与えてあげましょう。
発症後2,3日は38〜39℃台の高熱が続き、以後は咳こみ、鼻汁、倦怠感が続きます。
インフルエンザの合併症は?
このように肺炎、中耳炎、脳症などの合併症が知られています。
脳症は、「意識障害、けいれん、高熱(39℃〜)」に注意!!
発症0〜3日までが多く、小学生未満に多いのが特徴です。
「もしけいれん(ひきつけ)をおこしたら・・あわてない、大抵は数分以内に治まります」
ひきつけは、突然意識がおかしくなり、目が一点を見つめ、ぼおっとします。
手足を次第にぴくぴくさせ手足の色が悪くなります。このようなときは静かに横に
寝かせ衣服を楽にして様子をよく観察しましょう。
@ 手足の動きに左右差ないか、A意識はどうか、B時間はどれくらい続いたか。
吐いたものがのどにつまらないように気を付けて。
5分以上長いとき(どうしてよいかわからない)
躊躇せず救急車を呼びましょう。
(家族の方で子どもの頃、けいれんを起こした方がいた場合、家族性にけいれんを
おこすことがあります。)
一時的に呼吸状態が悪くなり、顔色が悪くなりますが、大抵は数十秒〜数分
以内に治まります。また窒息などに注意すれば、けいれんだけで死ぬことは
ありません。まず、見ているあなたが落ちつくことです。
インフルエンザを家庭で治すこつ
今年は大分市内でA,B型ともに流行しています。A型は咳嗽、鼻汁が目立ち、
B型が嘔吐など胃腸症状が目立ちます。
ただし喘息などを持っているなど個体差で症状が変わってきます。
みなさんが全て以下の症状の通りになるわけではありません。
@最初は高熱とのたたかい 0〜3日目
○突然の高熱・ぐったり オーバーヒートに注意!
ウイルスが私たちの体に作用し大変な高熱になります。高熱は水分も受けつけない、
など脱水の原因にもなります。口は渇き、唇も水分がなく乾いています。
抗インフルエンザ薬を内服した後は解熱するまで、A型1〜2日、B型2〜3日。無効?)
もし内服しない選択をしても、およそ2日で下がります。水分補給で乗り切りましょう。
(ジュース、スポーツ・イオン飲料・アイスなど)
→ 水分が摂れず、脱水を起こしていると思ったら再受診。
○ウイルスは脳や神経を刺激しやすい特徴があります。
「手足がピクピクする」(ピクツキ)、「うわごとを言う」などと脳が興奮・敏感に
なっているのがわかります。子どもの意識状態に注意。インフルエンザにかかった子全員では
ありませんが、中には、ひきつけ(熱性けいれん)を起こすこともあります。
熱が下がると多くの症状はおさまります。
→ 意識がおかしい、ひきつけ・けいれんを起こしたら再受診
○「厚着をさせない、こたつに入れない」
熱の上げすぎは熱性けいれん、消耗の原因になります。高熱期の意識障害、けいれんは要注意。
→ 解熱剤を使っても下がらない、41℃以上は再受診
○ぜんそくのある子は、咳こみ、呼吸困難など発作が出ることがあります。
→ 高熱の時期はテオドール、スロービッドは注意!! 苦しそうなら再受診を。
(けいれんの原因になるため、オノンなど抗アレルギー剤は内服してよい。)
幸い小児のインフルエンザ患者さんで大きな発作になった子どもはわずかでした。
また解熱した後も、大発作には至らず咳こみまでで軽快した子がほとんどでした。
その後の気道過敏性亢進についても認めず、すぐ発作が出やすくなった子もいません。
A後半戦(3日目〜)は、咳、鼻水がひどいもの
解熱傾向になっていますが、のど〜気管支にかけて炎症を起こすのがインフルエンザ。
咳、鼻水がしばらく続きます。
咳こみ、高熱が続く(気管支炎、肺炎)、耳を痛がる(中耳炎)などに注意。
加湿、あたたかい麦茶、のど飴など、のどのうるおいを欠かさないようにしましょう。
なお小児は病気の経過中に2回発熱することがあります。
高熱が続き、水分が摂れない、咳こみがひどい、耳を痛がる、
あるいは、ぜんそくの発作がおちつかない → 再受診が必要
B治るまで気をつけること
○
嘔吐、下痢がみられることがあります。お食事で与えるものは・・・おなかをこわしやすいので
子どもさんの好きな消化のよいもの(うどん、おかゆ、ぞうすい・・・)
○ よく休む、寝るのが一番!(熱が下がっても2日間は外出・登校はダメ。)
○ 水分(ジュース、イオン飲料、麦茶)をよくとること。場合によってアイスなども構わない。
Cいつから社会復帰(保育園、学校など)できるか
ウイルスの排泄は続くため、学校に行きながら、仕事しながら治す、
などというのは「もってのほか」。
解熱後2日間は隔離が必要、出席停止です。
インフルエンザのお薬について
大人用、古い熱さましに注意!!
○
新聞報道されていますが、おうちにある古い熱冷ましにはボルタレン、ポンタールなど
インフルエンザの経過をわるくさせる可能性のある強い熱さましがあるかも・・。
子どもには、アセトアミノフェン(カロナール)、イブプロフェン(ブルフェン)のどちらかを
使用しましょう。当院では安全な熱冷ましを使用しています。
○熱さましを使うべきか、どうか
大人でも耐えられない40℃以上の超高熱は下げてください。
汗をかきます、脱水予防に水分を。なお解熱することがけいれんの引き金になることもあります。
眠っていれば様子をみるのも大切です。
峠をこえて38℃〜、解熱し元気が出てきたらご両親(あなた)にお任せします
(来院時39〜40℃の方も、多くは2,3回熱さましを飲んでおしまいになっています。)
抗インフルエンザ薬について
○
発症後24〜48時間以内は、抗インフルエンザ薬が効果あるため重症化が
予想される子には処方する場合があります。
ただしB型インフルエンザに対して有効性が劣るようです。
また中には顔が腫れる、じんましんが出たなど副作用も少なからず経験します。
もともと自然に治るインフルエンザです。必ず飲む必要はありません。
このことを十分にご説明して処方しています。
なおウイルスは最初の2日間増え続けるので、飲むと決めたら最初の1回目は躊躇せず
「その場で飲んでウイルスの増殖を止める」必要があります。
治るのを自然に待つ治療の選択もできます。漢方薬(オブラートで包んで飲む?)で
解熱効果を期待できるものもあります。タミフルだけでなくリレンザの選択もできるように
なりました。
なお毎年タミフルを処方している子もいます。「毎年A、B型にかかっている」ということ
です。自分の力で免疫をつけることも必要かな、と思うこともあります。
お世話する方へ
お世話をする人もよくもらってしまうのが、インフルエンザ!
潜伏期は1,2日と大変短いのが特徴。うがい、手洗い(あとは気力?)で予防しましょう。
十分な栄養、体力、睡眠は免疫を高めウイルスの感染を防ぎます。
お酒、夜更かし、疲労は逆にかかりやすくなります。もしかかったようでしたら、
早めに受診を。「インフルエンザ(A,B型)にかかりました。」とおっしゃってください。
当院は24時間救急を受け入れています。何かあれば、夜間でもご連絡をください。
なにかあれば、電話558−5140