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当院は臨床研修指定病院です。研修医が小児科研修に入ります。
医学生も研修のため医療の現場に入る場合がございます。
あしからずご了承くださいませ。

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  病気のおはなし(クリックすると病気のお話にリンクします)


麻疹ヘルパンギーナマイコプラズマ感染症 発疹症(とびひ)
嘔吐下痢症 流行性胃腸炎  水ぼうそう
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)  咽頭結膜熱(アデノウイルス)
インフルエンザ 気管支喘息 溶連菌感染症 アトピー性皮膚炎
手足口病「マミの手足口病」


かぜ
(急性上気道炎)
H20.1.20                       top↑

いろいろなかぜ

 かぜは万病の元、油断するとロクなことがありません。みなさん、ちゃんとお休みして治していますか。風邪の原因になるウイルスの種類は200種類以上といいます。
 鼻水だけですぐに落ちつくカゼ、熱が続く、その割に咳鼻水が目立たないカゼ、目が赤くなる、目ヤニが出るカゼなどなど。オットセイのような咳が出る(仮性クループ)こともありますね。

気になるかぜ
 小児科や耳鼻科を受診したくなるのが、咳鼻水が長いカゼです。私たち大人にとっても、ノドが痛い、鼻水、鼻づまりがひどいカゼですが、子どもたちにとっては時には喘鳴、咳こみ、気管支炎を合併したりと長引きやすい、タチの悪いカゼです。RSウイルスなど喘息の原因になるウイルスが混じっていると思われます。
 外来では毎日鼻水を吸引、気管支を広げる吸入を受ける赤ちゃんたちがたくさんいらっしゃいます。鼻水を吸引?どうして?毎日通院していただくことで私たちも赤ちゃんの元気もわかります。
鼻汁吸引をすると、おっぱいやミルクの飲みがよくなるのが効果のひとつです。

いつ病院を受診すべきか
 咳・鼻水だけが続き発熱がみられない場合、どうしても診察に行くのをためらいがちです。
結果として1,2週間過ぎている子も少なくありません。ご両親のお休みにあわせて週末に来院されることもよくあります。診察の結果、肺炎・中耳炎などがみつかることもあります。
咳の具合、耳の痛みなど子どもの声に耳を傾けて。

熱は下げた方がよい?様子をみた方がよい?
 
ご存じの通り、発熱はウイルスなど病原体と体の免疫がたたかっているときにみられます。
体がだるく、きついので子どもたちはおとなしくしています。安静が一番なので合理的です。
 もし子どもさんが高熱に負けそうなら、苦しいときに解熱剤を使用することは、差し支えありません。ただ熱冷ましを使うと、発汗し大量に塩分、水分を失います。繰り返し使うことにより、脱水を助長することも考えられます。前後してアクアライト、イオン飲料を十分に摂らせましょう。
 熱性けいれんがある子の場合は、解熱剤を使用して熱が下がるときも、けいれん発作が出やすくなります。解熱剤を使用する30分前に予防のけいれん止めを使用するなど気をつけて。
 
 ちなみに我が子の高熱はどうしているか。
抗生物質(ここ数年)、解熱剤を使ったことがありません。ただし汗をかくと熱が下がるように、体温を下げるための工夫として、熱い蒸しタオル(電子レンジでチン!)で体をたんねんに拭くことはよくやります。(「寒い」とか、よく文句をいわれます)
 元気が出るように、アイス、ジュース、ラムネなどキャラクター付きお菓子はたいてい買って帰ります。(笑)

かぜに抗生物質が必要なのでしょうか
 
いわゆるカゼの原因はほとんどがウイルス。この病原体は抗生物質が効果をもたないため、強い抗生物質を飲んだ、からといってカゼが治ることはありません。ただし中耳炎、肺炎を合併した時、そのほか鼻漏が2週間程度続き、子どもさんの合併症が懸念される際に処方しています。

 不用意に最初から抗生物質を濫用すると耐性菌(抗生物質によって死滅しない強い細菌)が
増える原因になり細心の配慮が必要です。
子どもさんの様子が変わりやすい週末など、「前もって抗生物質を出しておくけど、発熱が続いて咳・鼻水がひどくなったら始めましょうね」とお話して処方することもあります。

 子どもさんの病気の中には化膿性髄膜炎など怖い病気があります。前もって抗生物質を飲ませていると検査に差し障りがあるほか、「飲んでいるから大丈夫だろう」と油断することにもつながります。
むしろ「はらはらしながら」どうなっていくのか、ご両親とともに見守るほうがベターだと考えています。状態をみながら好んで血液検査などを行います。



私たちの医療はみなさんとの「共同の営み」です。いろいろ教えてくださいね。
 当たり前のことですが、私たちは診察室に入る子どもさんしか診て(見て)いません。
診察室に入ると最後の元気をふりしぼって(笑)暴れる?子どもさんには、「今日も元気だネ!」とお薬を処方しておしまいになってしまいます。
 咳がひどくて肩で息をしている、いつもより不機嫌、など今回はいつもと違っている!というとき、
咳の様子、鼻水の具合、ノドや耳を痛がるサイン、そして安静がどれだけとれているか(保育園・学校のお休み)などなど教えてください。

かぜを治すのに大切なのは安静、栄養、水分
 あれだけお薬を出したのに(私の言い訳)、あれだけお薬を飲んでいるのに、ナゼ治らないのだろう。(カゼでも何でも)診察室でご両親とともに頭をひねることがあります。
 でも、病気を治すのに、大切なのはお薬だけではないはず。
きちんとお休みして、体力が落ちているときに無理をさせず、子どもの好物を頭に入れて体が受けつける水分・栄養を考えてあげて、あとは待ちましょう。
長引いているとき、幼稚園・保育園・学校に行きながら、治すなどというのは病気をこじれさせる元になります。

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自家中毒・脱水症    
 楽しい遊びの後、一日サッカーや野球の遠征で疲れた、行楽でとってもはしゃいで、そのまま寝てしまった翌日、嘔吐してぐったりした経験はありませんか。こんな嘔吐はケトン血性低血糖症(自家中毒・脱水症)によるものかもしれません。下痢を伴わず、発熱など炎症所見もみられませんが強い脱水を認めます。外来では検査の上、たっぷりと甘いリンゲルやブドウ糖の点滴をします。

 疲れた後は、眠る前にぜひ、予防としてコップ1杯の「りんごジュース」を飲むとよいです。疲れた後は当然、エネルギーが必要です。ジュースに含まれるブドウ糖が役に立ち
ます。


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麻疹(H15.4.22)
 昔はほとんどの子どもが自然にかかっていたものですが、最近では予防接種が普及し大流行はみられなくなりました。ただしワクチンで作られた麻疹に対する免疫力が低下して、いざウイルスの侵入を受けたとき感染を阻止できずに発症する子もいます。中高生のワクチン接種者が発症してしまうのがそうです。

【病気の経過】
 潜伏期はおよそ10〜12日間。空気感染で伝染します。従って保育園など麻疹に感受性がある(ワクチンを受けていない、まだかかっていない)子にはあっという間に広がってしまいます。
 感染して10〜12日間ほど過ぎると、発熱38〜39℃台、不機嫌、咳嗽、くしゃみ、鼻汁、腹痛、下痢といった症状をみるようになり(カタル期)3〜7日間程度続きます。この時期には咽頭充血しあたかも溶連菌感染症の咽頭炎とよく似ています。よく注意して口の中を見るとほっぺたの粘膜に白い斑点がたくさんみられるようになります(コプリック斑)いったん36〜37℃台に解熱すると急激に再発熱し39〜40℃台となるほか耳の後ろから赤い発疹が出現してきます。
この発疹は最初、汗もにも似ていますがすぐに癒合し、頬部から顔面、次第に体幹に広がり、数時間で顔は赤く覆われるようになります。発熱は最高となりますが、この時期には咳嗽、鼻汁、下痢などの症状も続いています。なんとか水分などを補給しながら頑張っていると、2〜3日間で解熱傾向となり顔の発疹は薄黒く退色していき四肢に広がった発疹も薄く消えていきます。解熱するとようやく咳嗽、鼻汁、下痢は軽快していきます。ここまでおよそ7〜10日間ほどかかります!!

【合併症】
合併症も比較的多く、脱水症、中耳炎、肺炎、脳炎など広く知られています。

【診断】
実際に発熱、発疹、咳嗽、下痢などといった特徴的な所見が多く出そろってくると診断は容易ですが最初はなかなかわかりません。
発熱などの症状が出現して数日目から口の中に出てくるコプリック斑や咽頭所見、特徴的な皮疹で診断をつけています。発熱直後はなかなか診断に結びつかないのが現状です。

【治療】
原因は麻疹ウイルスですので対症療法(発熱、咳嗽、下痢、合併症に対応した治療を行うこと、麻疹ウイルスをやっつけるクスリはない!)が中心になります。重症例ではγグロブリンを使用することもあります。肺炎、中耳炎など合併してくると抗生物質の投与を行います。入院して治療する子どもも多いです。

【予防】
空気感染ですので集団(学校、保育園、幼稚園、病院のほかにもイベント会場など人混みも含まれます。)の中に感染力の出てきた麻疹発症前1〜2日の患者さんがいたら感染する可能性があります。見分ける方法はありません。あれだけこわい、こわいといわれるインフルエンザですが、今やワクチンだけでなく特効薬も現れました。でも麻疹にはワクチン(予防接種)だけ。
従って予防接種がとても大切なのです。
「1歳のお誕生日が来たら麻疹風疹混合ワクチンをプレゼントしてあげましょう!」
なお当院では希望される方には生後10ヶ月からワクチンを任意(有料です)接種しています。
また、平成18年4月から始まる麻疹、風疹が混合された新MRワクチンは4月に1歳0ヶ月〜2歳0ヶ月になる子どもさんが接種できます。すでに麻疹、風疹のどちらかを接種された子どもさんは対象になりません。それ以外の年齢の方も新しいワクチンは対象になりません。
外来でご相談下さい。

【もし麻疹の患者さんとすれ違ってしまったら】
1.ワクチンをすでに接種されている方は心配ありません。
※ただし、接種して10〜15年近く経過しますと中には、麻疹の発症を防ぐだけの免疫が残っていない方もいらっしゃいます。(ワクチンにも寿命があるのです。)その場合には比較的軽く発症する場合があります。自信がないときには任意でワクチン接種を行う。
2.以前、麻疹にかかった人
全く問題ないと思われます。ただしごく一部に軽く発症する方もいましたが明らかに軽い印象でした。記憶されていた麻疹の免疫が追いついたものと考えられます。
3.乳児期前期の赤ちゃん
まだ生後半年くらいまででしたら、お母さんが伝えた受動免疫が残っているでしょうから、発症しない可能性があります。
4.乳児期後期〜幼児
10〜12日後に発症する可能性があります。
接触から5日間程度まで
受動免疫(自分で作った免疫でない、外から加えられた受け身の免疫という意味)をつけるためにγグロブリンを筋注します。HIV,肝炎ウイルスを除去してあるとはいえ血液製剤ですのでご相談の上、投与しています。
接触から3日間程度まで
また「麻疹ワクチンを接種し発症を防ぐ、軽快化を計ることができる」という報告も一部あり、ご相談の上、ワクチンも接種しています。
今年はこのような緊急ワクチン接種を5人行いましたが、家族内感染や、時期が遅くなった接種であったためか5人全員発症してしまいました。しかし入院した者は1例のみ、入院例も検査所見は自然例に比べ軽症な印象でした。外来通院症例も点滴を行っただけで肺炎・脳炎合併例はありませんでした。γグロブリンを投与した症例は発病を免れた模様です。

とにかく「思いたったら麻疹ワクチン(γグロブリン)」です。


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発疹症
 とびひ(伝染性膿痂疹)
H20.5.31更新
とびひは、虫さされ、擦り傷などに黄色ブドウ球菌が感染し、皮膚に特徴的な皮疹ができます。
最初、「水ぶくれ」ができて破れ、ジクジクした皮疹になります。とても痒く、掻きむしりによりブドウ球菌があちこちの皮膚に運ばれるため再び感染、新しい皮疹ができ「飛び火」します。

発見したときには水ぶくれは破れてしまっていることも多いのです
治療は生活指導として
い 爪を短く切り掻きむしらない。
ろ 清潔(ほかの子どもさんよりお風呂はあとで。シャワー浴の勧め)
は とにかくよく洗うこと 石鹸を泡立てて、傷を洗ってください。
に 直接皮疹に触らぬように軟膏塗布後はガーゼを当てる


中心に水ぶくれができています

水ぶくれは破れ、花びらのようです
(上の写真は、あるお母さんのご好意で撮影させて頂きました、ありがとうございます)
そのほか薬物療法として
@抗生物質 セフゾン、ホスミシン、場合によってはかゆみ止め)5日間内服
A軟膏外用(エキザルベ、5%デルマトール加亜鉛華単軟膏など)

接触性皮膚炎によるもの

毎年5,6月と9,10月には、毛虫などによる、体の発疹のために受診される子が多いです。
いわゆる毛虫まけ、接触性皮膚炎は、公園などで暴露を受けるとしばらくたってから腕、首の周囲、背中、膝などに集中した左右非対称性の赤い発疹が出てきます。これに対し水ぼうそうは、左右差なく体のあちこちに出てきます。虫さされの発疹も、手足など表面に出ているところに多く、散発する傾向があります。

 かゆみ止めの内服、外用薬(かゆみ止め、ひどいところはステロイド外用剤)で治療します。数日で枯れていき予後は良好です。隔離も不要です。
この辺りでは、6〜7月、9月にちょっとした流行があるように思われます。毛虫など自然界のアレルゲンが原因の場合には、発疹がでる前に公園にでかけたりしていることがあります。

 ウイルス・細菌性の発疹症
ご存じ、水ぼうそう、麻疹(はしか)、風疹などがこれにあたります。ただし、どれも非常に特徴的なので最初の時期を除き診断に迷うことは比較的少ないといえます。細菌性の発疹症の原因になる溶連菌感染症はこの時期よくみかけます。咽頭に所見があるものばかりではなく、検査でようやく判明するものです。

 この暑い時期のことですから、痒いからといって掻きむしるとひどくなり「とびひ」(伝染性膿痂疹)を合併することがあります。気をつけましょう。


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マイコプラズマ(H20.1.17)

 マイコプラズマは病原体の名前です。ウイルス〜細菌の中間にあたり他の細菌とは違う形をしています。飛沫感染で伝染しますので、保育園、幼稚園、学校、家庭で小流行することがあります。

 症状として37−39℃台で発熱が続く、湿った咳が最初少ないのに次第に目立つようになる、咽頭痛、関節痛、下痢・腹痛などの胃腸症状たまに発疹がみられることがあります。
いわゆるカゼと異なり、「鼻水が出ない、ゴホゴホした咳が出る」特徴があります。
気道を刺激しやすく(気道過敏性)、喘息のある子どもが喘鳴の発作を起こすことがあります。

 特徴ではないかもしれませんが、この子たち、比較的活気があり、咳ひどく熱が続いている割に元気がいい、とご両親は教えてくれます。実際当院で血液検査をしてみると多くの子どもでそれほど強い炎症所見を示しません。

 診断は、詳細な問診(周りに咳の長〜い大人、兄姉がいる、クラスで流行っている、熱が高く咳が続いていて最初のお薬※があまり効いていない印象がある・・)あるいは胸部レントゲン、血液検査でわかります。聴診しても湿性ラ音がわかりづらく「胸の音はきれいですね」といわれることがあり無気肺が多い、といった特徴があります。最近、マイコプラズマIgM迅速診断もできるようになりました。ただし陽性とすぐにわかるにはIgM抗体ができてくる発熱後7〜12日間まで待たなくてはなりません。
現時点では検査機関に外注するCF、HDPA抗体価、COLD(寒冷凝集)の上昇とあわせて診断しています。

 治療は、マクロライド系抗生物質(クラリシッド、ジスロマックなど)で治ります。
よく合うと1〜3日間で解熱します。気管支炎〜肺炎を起こし咳が続きやすいので、しっかり治療する必要があります。元気のよい子は入院せずに外来で治療(点滴、あるいは内服のみ)することもあります。
 なおこの仲間の抗生物質は独特の飲みにくさ・苦さがありココアに混ぜて内服させる、内服させた直後にチョコレートを1個口に入れてあげる、キャンディを1個渡す、混ぜものを毎回工夫して変える!など工夫が必要です。湿った咳が続いている間は、安静をしておかないと再発熱することがあります。
難治性のマイコプラズマにはミノマイシンなどテトラサイクリン系抗生物質も使用します。
(永久歯の着色などの副作用の点から使用年齢を考慮>8歳くらいより上の年齢)
呼吸不全・髄膜炎症状を起こしステロイドを投与した症例も経験しました。

もともと肺炎を起こしやすい病気です。下のレントゲンの子どもさん(かわいい4歳の女の子です)も14日間ほど頑張ってお薬を飲んでくれました。

マイコプラズマ肺炎 治療開始前

マイコプラズマ肺炎 治療後


マイコプラズマIgM迅速診断陽性と出ています。

※医療機関では様々な細菌に効果があり、飲みやすいといった点からまずはセフェム系の抗生物質(セフゾン、トミロン、フロモックスなど)を使用することが多いのです。
 ただし苦い、といわれるマクロライド系抗生物質もいろいろな飲み方の工夫でなんとかなります。
お薬が飲めないと、何日も発熱が続く一方、お薬が飲めると1〜2日以内に解熱してくることが多く、子ども達はすぐに元気になります。ここがご両親の踏ん張りどころですよ!!

【診断がついていても、こんな時は来院!】
1.水分・食事摂取ができない。     2.排尿減少し活気がなくなった。 
3.咳こみがひどく眠れない。       4.嘔吐・頭痛を伴った場合。
5.どうしていいか、わからなくなった・・・。6.お薬をのまない
 


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ヘルパンギーナ(H16.7.17掲載)
 7月に入り急に増えた「夏かぜ」のひとつです。 コクサッキーA群ウイルスの仕業です。潜伏期は3〜5日と数日間です。
【症状】
@今まで元気だった子が急に高熱(38〜39℃台)、ぐったりとしてA咳、鼻水は少ない
B次第に咽頭痛を訴えるようになるとこの病気を疑います。
C喉の奥や口腔内粘膜に水疱や赤い発疹が出てきたら診断できます。手足口病と異なりD手足には発疹なし。首の周りにはリンパ節がクリクリしています。E下痢もみられます。
【経過】
 経過は早く、1〜3日以内に解熱します。抗生物質は不要で、解熱剤など対症療法が主な治療です。幼児から低学年の小学生までがかかりやすいようです。
発熱は自然に解熱しますが、この病気がもっとも問題になるのは乳幼児の場合、咽頭痛が強いために水分・食事摂取困難となることです。脱水に注意が必要です。
まれに無菌性髄膜炎が出てくることがあります。前後して頭痛、嘔吐、発熱が続くようであれば再受診しましょう。
 【おうちでの過ごし方】
○発熱ある間は休みましょう。
○あまり痛がるときには熱冷ましには痛み止めの効果がありますから、症状の緩和に役立つかも
  しれません。
○喉の痛みのために水分・食事摂取できず脱水症に陥ることがあるので上手に水分を与えましょう。
胃腸症状がなければ
@アイスクリーム A牛乳 B乳製品飲料などは喉の刺激が少ないのでよさそうです。
子どもさんの好きな好物を与えましょう。
熱いモノより冷たい飲み物を選びましょう。

【似て非なるモノ】
手足口病     口の中以外に手足にも発疹が出現します。同じウイルス群の仕業です。
ヘルペス歯肉口内炎 よく似ていますが歯肉腫脹など、こちらの方が疼痛が強い印象があります。

【こんな時は来院!】
1.水分・食事摂取ができない。 2.排尿減少し活気がなくなった。 
3.嘔吐・頭痛を伴った場合。   4.どうしていいか、わからなくなった・・・。
   


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嘔吐下痢症、流行性胃腸炎、感染性腸炎(H19.9.11更新)

嘔吐下痢症
嘔吐下痢症は突然の腹痛、嘔吐で発症しお腹が張った感じとなり数回に分けて嘔吐がみられることがあります。
次第に37〜38℃発熱することがあります。前後して排便があり次第に水様便に変わっていくことが多いようです。(下痢するまでは腸重積、髄膜炎、敗血症まで鑑別しながら経過をみます。)

ウンチに血液が混じっていないかよく観察してください。いちごゼリー様の血便が出たり、転げ回る腹痛、不機嫌・涕泣を繰り返すなどあれば腸重積の合併も考えます。

感染性腸炎

 嘔吐が少なく、腹痛・しぶり腹、発熱が中心のもの、便に血液が混じる、緑色〜黒褐色などいつもと違う軟便〜下痢がみられるものは、細菌感染による感染性腸炎を疑います。
 カンピロバクタは比較的、活気がある印象ですが血便になることがあります。数日前の獣肉の摂取をお尋ねすると心当たりがある場合があります。(レバ刺し・トリ刺しが好きな子どもって意外と多いですね。)問診だけで診断がついてしまうこともしばしばです。
 病原性大腸菌は、いわゆる「O157」などたくさんの菌株があります。
重症度も様々で嘔吐下痢症と診断されていたり入院治療される症例まであります。
なお明らかな血便は、腸重積の鑑別を行い、O157迅速診断をできるだけその場で行うようにしています。

 高熱、腹痛、下痢の強い印象のあるものはサルモネラ感染症です。
卵(ケーキなども含む)〜獣肉、海産物などから感染します。

おなかの調子が悪いようだ・・・
よく観察してください:診断

どんな物を吐いたのか ずいぶん前に食べたもの・・・おなかの動きが落ちている。
                   お薬を飲ませたら吐いた・・・飲み方の工夫?
                                     あるいは変えてもらう?

どんな風に吐いたのか 咳がひどいとき ・・・咳の治療も必要
                急に腹痛、突然!(さっきまで元気だった)・・嘔吐下痢
                                           
下痢 色は?血が混じる?イチゴゼリー?(すぐに病院へ)
発熱 嘔吐・下痢が先で後から熱が出てきた?最初から発熱していた?
腹痛 どのあたりを痛がりましたか?キリキリ、どーん、転げ回る? 
                  外来でお尋ねします!

原因となるウイルスや細菌
ウイルス性胃腸炎
 外来に来られた患者さんをよく観察・診察してみるといくつかのタイプがあるように思われます。
小型球形ウイルス(ノロウイルス、そのほかエンテロウイルスなど胃腸炎を起こすウイルス)による幼児〜学童、あるいはご家族に散発するもの、また乳幼児〜学童に多い嘔吐、発熱、下痢が比較的重症で白色〜クリーム色の下痢を伴い1週間前後の長い経過をみる、いわゆる乳幼児冬季下痢症(ロタウイルス)があるようです。

ロタウイルス感染症の 白色便(クリックしてみてください)
ロタウイルス感染症 乳幼児冬期嘔吐下痢症

潜伏期 2〜3日
 兄弟など家族内、保育園で流行します。ご両親に感染することもたまにあるようです。
症 状
嘔吐から始まることが多く、激しい下痢(1日数回〜10回以上)がみられます。
下痢便は時に白色〜クリーム色便になります。下痢は5〜7日程度続きます。
おなかがしぶり、腹痛を訴えます。
発熱が1〜3日目にみられ、38〜39℃台になることがあります。多くの場合、自然に下がります。
咽頭充血、鼓膜発赤などかぜ症状(咳・鼻水)も30〜40%みられます。

 現在では便の中に含まれるロタウイルスを迅速診断キットで15分間で診断できます。点滴を行う児には血液検査(末梢血・生化学・血液ガス)で重症度を判断しています。
高熱が出たり下痢、嘔吐、咳、鼻水がみられ、子どもたちにとって重くなりやすい病気ですが、しっかり検査を行うことで妙に?安心するものです。

緑色の下痢が続く子どもさんの便を潜血反応で調べたところ「陽性」でした。
細菌性胃腸炎
 よくみかけるようになった胃腸炎には、これらのウイルスにかわりカンピロバクタなど細菌が原因になっているものがあるようです。緑色便〜黒色便、なかには血便を伴うことがあります。上記の便潜血反応もひとつの手がかりにしていなます。
 
カンピロバクタ腸炎による血便     左の血便をO157迅速診断キットで検査し陰性でした。

調理の際には十分、気をつけて!                      top↑

@いつも手を洗って調理をはじめていますか。
子どもさんの排便、手洗いの補助の後も、しっかり手を洗ってください。

A冷たい料理は冷たいままで、暖かい料理は温かいままで(あるいは冷やして)

B冷蔵庫は絶対安全ではない。

C「もったいない」より、思い切って捨てましょう。

D感染性腸炎の原因となることの多い細菌は病原性大腸菌、カンピロバクタなど。肉の調理など十分加熱しましょう。子どもはレバ刺しは食べちゃだめ!



治療:おうちでできる看護


吐いたら飲むな!
ゲゲッと吐いた、それも大量に!!子どものお腹は空っぽです。
すぐに喉が渇いた、お腹が空いたと訴えます。けれどもすぐに与えていいものでしょうか。
もちろんすぐに吐いてしまうでしょう。吐き気が落ち着くまで数時間〜半日はお腹の安静のため絶食にしてあげましょう。栄養失調になったりないものかとお考えの方は、あめ玉でもしゃぶってもらいましょう。ウイルスの作用で胃腸の働きは弱っています。身体が「これ以上お腹に負担をかけてくれるな」と訴えて、吐いているのですからしばらく休憩です。うまくいけば子どもはしばらく眠ってくれます。
吐いたらすっきりした、まさしく体の自然治癒力なのです。但しどんどんぐったりしていくときは病院かな。

 少しずつ水分摂取を!
 もちろん数時間〜半日ほど経過し嘔吐が落ち着いたら下痢も始まっている場合もありリンゴジュース、乳幼児用イオン飲料などをごく少量ずつ(うっかりすると大さじ数杯〜)あげてみてください。腹痛がひどくなり、嘔吐を繰り返すようならまだ時期尚早かもしれません。あるいはこの時間くらいになると小児科受診できる時間になっているかも知れませんね。ジュースを飲みながら元気が出て暴れ??始めるようなら大したもの!
そうっと様子をみましょう。吐かなくなれば少しずつ量を増やしてあげましょう。

市販の幼児用イオン飲料を利用する手も

 食べれるようになったら
吐かなくなり食べても大丈夫な時期が来たらもう安心、ただたくさん食べ過ぎると腹痛(最悪、嘔吐)がひどくなりすぐに下痢してしまうこともあります。消化の良いものを食べてもらいましょう。うどん、おかゆなど。家族みんなで同じものを食べると納得してくれるかも。
もっともどうしてもお菓子がいい、といわれたらここまで頑張ったご褒美にちょっぴりあげてもよいかも・・☆

 予防は
吐物、下痢のついたものは他の衣服とは区別した方がよいでしょう。お世話をする方は他の子を世話する前によく手を洗いましょう。ご自分も口や鼻を触らないように。ウイルスはすぐに入ってきてしまいます!
うがい・手洗いです。

【見分けなければいけないもの】

髄膜炎 
 発熱、頭痛、嘔吐は3主徴といって髄膜炎にも特徴的ですが、症状だけみるとよく似ています。
また胃腸炎のウイルスには髄膜炎症状を合併してくるタイプもあり、わかりにくいことも。
ただし突然、「オナカがイターイ!、ゲゲッと嘔吐!下痢してパンツを汚した〜」となれば嘔吐下痢症などおなかの病気を考えますよね。嘔吐、発熱、頭痛を強く訴えるほか意識障害、けいれんなど頭は大丈夫?と思わせる症状が多いときに考えていくのが髄膜炎です。ご心配なときは病院に連絡を。

脱水症

嘔吐下痢で、ご両親がもっとも心配されるのは脱水症です。
「あんなに吐くとは思わなかった」「吐いて真っ青になったんです。」
「吐いたからジュースを飲ませたらまた吐いたんです。」
 嘔吐下痢では、日常茶飯事の症状です。
ただし発症から数時間で瞬く間に重症脱水に陥ってしまうことはまずないと思います。
むしろ、そのままぐったり2日目に突入!しているときなどはおしっこがちゃんと出ているか下痢・嘔吐の回数を必ずお尋ねします。

腸重積
嘔吐、下痢など胃腸の動きがいつもと違うときに合併しやすいのが、これまで何度か出てきた腸重積という病気です。腹痛が、さっきまでと違う、転げ回る〜強い反復性のある腹痛、嘔吐、血便などを認めるときには、すぐに病院に連絡を仰ぎましょう。


【こんな時は来院!】
1.嘔吐が止まらない 2.下痢がひどく排尿減少した。
3.活気がなくなった。 4.けいれんを伴った場合 
5.どうしていいか、わからなくなった・・・。6.急に転げ回る、反復する強い腹痛
7.血便が出た 8.お薬を飲まない
  
 


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水ぼうそう

 急に体のあちこちに(まんべんなく)水泡をもった赤い発疹が出てきたら要注意。
小指の先くらいの大きさです。最初「とびひ」(伝染性膿痂疹)と間違えやすいのです。ただし「とびひ」が比較的一部に集まりやすい発疹であるのに対し、水痘は全身にまんべんなく(口の中、顔、頭髪の中、おちんちん、おしりなど軟らかい部位に多いのです。)出てくるのが特徴です。新旧混在(枯れた発疹の隣に新しいものが出てくるの)も特徴です。
なお風邪と同じように咳、鼻水が出てくることも多く37〜39℃まで発熱する場合もありますので当初は「普通の風邪だヨ」と診断されることも。発疹が出れば診断がつきます。
 抗ウイルス剤の処方(アシクロビル)には論議のあるところですが、兄弟からもらった症例(重症になりやすい)など症例を選んで処方しています。
集団から隔離が必要な病気です。全ての発疹が枯れるまでおよそ1〜2週間くらいかかります。体の抵抗力が落ちやすい時期なので、かぜをもらってしまうと肺炎など起こしやすく要注意。
水痘ウイルスの感染が原因です。およそ2週間の潜伏期があります。予防接種で防ぐ(軽症化をはかる)ことができます。
生後まもなくの新生児など抵抗力の無い子どもの水痘は重症になることがあります。
 ただし、お母さんが水ぼうそうにかかった既往がある。母乳で育てている。生後半年近い。といったことであれば概ね大丈夫とご説明しています。
感染したら患児だけでなく、気になる弟妹がいたらできるだけ早く小児科で相談してください。
【こんなときは病院へ】
1.高熱が続き次第にぐったりしてきた。 2.痙攣、意識障害がある。
3.食事を摂らず、おしっこが出なくなった。 4.高熱が続き咳がひどくなってきた。
5.・・・どうしていいかわからなくなった。 6.お薬を飲まない
 


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おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
 大分市内では今、比較的流行しています。潜伏期は2−3週間で飛沫・接触感染でうつります。片方〜両方のほっぺたが腫れてきます。「ごはんを食べると耳の下が痛い。」と訴えます。ちょうど耳の下にあたる耳下腺と呼ばれる唾液腺が腫脹するのです。ムンプスウイルスが原因ウイルスです。中耳炎や頸部リンパ節炎を鑑別する必要があります。
 また外来にはほっぺたが何度も腫れる、という子どもさんが時々来院されます。ムンプスウイルス感染ではなく細菌感染や唾石などで唾液腺開口部が閉塞することで何度も腫れることがある「反復性耳下腺炎」も区別すべき病気として知られています。
この場合は患者さんの希望により採血して体にムンプスウイルスがかつて入ったかどうか、(免疫ができているかどうか)調べることができます。何回もほっぺたが腫れても意外と、ムンプスウイルスの免疫がない(この場合「おたふくかぜ」にかかっていないことになる)子どもがいます。
3日目 38.0℃ 耳の下が腫れています
症状
 のどの痛み・咳・鼻水 なし
 発熱 37〜40℃ 2〜3日程度
 耳の下の痛み 頭痛 嘔吐 腹痛(下痢)
治療
 「おたふくかぜ」の治療は安静のみしかありません。
食べても大丈夫だったもの
 牛乳 パンを小鳥のようにちぎって
意外とだめだったもの
 アメ
隔離
集団から隔離が必要になりますから自宅でのんびり過ごしましょう。

中枢神経合併症として頭痛、嘔吐、発熱といった髄膜炎症状をおこすこともあります。10人に1〜2人という割合から数%くらい、とも云われます。ただし2002年度、この病気のために数百例来院された中で本当に髄膜炎を疑い、入院していただいた症例は数人のみ、ただし頭痛や発熱のため点滴を行った「おたふくかぜ」の子どもさんは意外とたくさんいるような気がします。
2006年度は毎日数人程度、来院と大流行していますが、髄膜炎症状の子はみられません。
ほとんど発熱しない子もいる一方で2,3日38〜40℃と発熱する子もいます。発症から1〜2週間程度、たてばおおよそ大丈夫といえます。

【こんなときは来院】
1.ほっぺが痛くて食べられない、おしっこが出なくなった。
2.再び発熱し頭痛、嘔吐を繰り返すようになる。
3.・・・どうしていいかわからなくなった。 4.お薬を飲まない
 


インフルエンザ
(H21.11.9) こちらもご参考にどうぞ top↑

 H21年8月下旬からインフルエンザが流行しています。全てA型です。
最初の子ども達が新型インフルエンザA型PCR陽性でしたので、おそらく新型でしょう。
治療はご両親と相談の上、麻黄湯、リレンザ、タミフルを使用しています。
(リレンザ、タミフルを使わずに治している子どもさんもおられます。)
経過は季節型A型と似ていますが気管支喘息の子どもさんの一部に発作がみられます。
また10代から20代まで、若いご両親もよくかかっています。


インフルエンザ迅速診断

 インフルエンザウイルスは私たちの鼻や喉の粘膜に感染するウイルスです。人から人に空気・飛沫(くしゃみ、唾)を介して感染する、伝染力が強い特徴があります。
潜伏期は通常24〜72時間と短い
のも特徴です。新型ウイルスでも接触から発症までの日数は数日以内のようです。

 症状
@発熱(37℃〜39℃以上) 
A急な発症 B全身の関節痛、筋肉痛 C頭痛 D咽頭痛、鼻汁・咳(喘息があれば咳こみがみられる場合も)E全身倦怠感・食欲不振

ふだん元気な子どもが突然、発熱とともに発症し咳、鼻水も次第に始まります。関節痛や体のだるさがありますので、子どもたちは不機嫌です。くちびるは乾き赤く充血し、きつそうな顔からは「インフルエンザかな」と疑います。嘔気、嘔吐もみられます。
子ども1人にせず意識・けいれんにも注意しましょう。

 診断について 
(1)周囲でインフルエンザの流行があり、上記の症状がそろっていると「みなし診断」します。
発熱が始まって間もない場合は「子どもの隣の席の子がインフルエンザ、早退が今日は6人もあって教室でインフルエンザが流行っている、父親がインフルエンザA型だ」という手がかりが大変有用です。(みなし)
(2)インフルエンザ迅速診断キットも診断に有用ですが発症後18〜24時間以降で検出感度が上がります。
(検査キットが足りません。発熱当日は問診から診断(疑い、みなし)としています。
検査しません。)


 インフルエンザの経過

<新型インフルエンザ感染症>
 H21/8月下旬より流行がみられます。
発熱、倦怠感、嘔吐そして咳嗽(鼻汁)がみられます。きちんと検査すると18〜24時間目には概ね判明します。
タミフルを処方された場合は翌日には38℃台、翌々日には解熱しています。ウイルス量が多くなる自然経過例では発熱、咳、鼻水が持続しやすいのですが、いずれ治まります。
 季節型と同様の経過をたどり、咳嗽、鼻汁が残ります。解熱して2日目過ぎると隔離不要になります。
高熱が続き痙攣、意識障害がある場合が心配されます。
通常のインフルエンザAと同様の経過です。ほとんどの方がタミフル、リレンザを希望されます。やはり今年も高熱期の異常行動が一部みられます。
 発熱が続く場合、溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症が合併していた症例がありました。数日後以降の発熱は2次感染の気管支肺炎の場合もあります。気管支喘息、喘息性気管支炎と診断している子が要注意です。

<季節型インフルエンザA感染症(H17年春) 2歳男児 気管支喘息あり タミフル内服例>
 3月中旬のある夕方、突然の発熱38〜39℃台、「頭が痛い!足が痛い!」(頭痛、関節痛)、ぐったりと動けなくなり不機嫌で、水分摂取を促すもジュース、果実を少量摂取するだけでした。
保育園でA型インフルエンザが流行しており、インフルエンザを強く疑いました。1人にせず母親が付き添い、TVなど見せず、こたつに入れず、寝かせて経過をみました。24時間目にインフルエンザ迅速診断行い陽性と判明、気管支喘息があるためタミフルDS内服を開始。
なだめながらアクアライト、リンゴジュースなど水分を摂らせました。解熱剤は本人の希望(坐薬キライ)で使わず。
翌朝には37℃台でしたが、咳嗽、鼻汁出てきました。心配していた喘息の悪化はオノンDSを飲んでいたせいか(高熱時はテオドールは痙攣を起こしやすいので飲みません)ありませんでした。鼻水がだんだん増えてきます。心配していた発熱は昼からは37℃台に下がりタミフルが効果を発揮しているようでした。解熱してくると子どもも次第に機嫌よくなりジュースのほかにうどんを食べるようになりましたので一安心です。
夕方、再び38℃になりましたが絵本を読んで早く休ませました。
茶色くなっていたおしっこもだんだん薄いいつもの色に戻っていました。
翌々日朝には36℃台に解熱、まだまだ食欲も十分ではありませんが部屋の中ではミニカーで遊べるようになりました。ハナタレ・咳こみもマルカン(当院処方の風邪薬)をのみながら頑張れそうです。よ〜し、これで大丈夫。と思ったら妻と長女が発症です!


<インフルエンザB型感染症 平成15年3月 タミフル内服例>
 A型と比べて最初の発熱のパターンがはっきりしない印象でした。やはり熱性痙攣、中耳炎、気管支炎などといった合併症があります。最初の日に発熱しても翌日いったん低めになることから普通感冒、あるいはよくなったねと判断してしまうことがあります。下の例では典型的な経過からインフルエンザと診断しタミフル併用し3日目に検査陽性になりました。

(お母さんがとても詳細な経過をつけておられたので、経過表を作ってみました。)

インフルエンザの経過<季節型インフルエンザB型感染症 平成19年3月タミフル非使用例> 
 保育園で流行しているとの情報があったので、頭痛と吐き気を訴えるようになった時点でインフルエンザを疑い、様子をみることにしました。食欲がなく、ぐったりしていましたが、たまに兄弟と遊んでいたのでカルピスやイオン飲料だけ飲ませ添い寝しました。うわごとや幻覚もなく翌朝には解熱、一時は外で遊ぶ元気もありましたが夕方から再発熱。今度こそぐったり寝込んでしまいました。おしっこの量が少なくなっていましたがカルピスなど少しずつ飲むため経過観察。2日目にインフルエンザ検査を受けたところB型と判明。効果が少ないためタミフルは使用せず。
クスリの代わりに「鉄道プラレールを1台」渡し感冒薬のみで経過をみました。咳や鼻水が増えた時期には37℃台に解熱しプラレールで遊ぶなど活気も戻っていきました。

@最初は高熱とのたたかい 0〜2、3日目

突然の高熱・ぐったり オーバーヒートに注意!(こたつで暖めすぎるな)ゲーム、TV禁止

ウイルスが私たちの体に作用し発症当日〜翌日は38−41℃の高熱になります。唇が赤く、目が赤くトロ〜ンとなり発症直後の高熱は嘔吐・腹痛も起こしやすく、いちばんきつい時間です。
まだ検査前の子どもさんも多い時期です。解熱剤は上手に使い、発汗後は脱水予防のため、イオン飲料など糖分と塩分を含んだ飲み物を少しずつ補給します。静かに見守りましょう。
ただし高熱の時期はおおむね3日目まで。抗インフルエンザ薬を内服した後は解熱するまで、1〜2日程度。
(カルピス、アクアライトなどのイオン飲料で脱水を防ぐ
       →  排尿なし汗が出ない、脱水を起こしていると思ったら再受診。

「子どもの手足がピクピクする」「うわごとをいう」ということはありませんか。トイレの場所を間違えたり。ちょっとおかしい。高熱せん妄です。 高熱は脳を刺激しやすい特徴があります。
子どもの意識状態に注意。
ひきつけ(熱性けいれんが多い)を起こすこともあります。小学生でも時に熱性けいれんがみられます。
高熱の時期が過ぎると症状はおさまります。一日に何度もけいれんをおこす、意識の戻りが悪い、意識がおかしいときは脳症との区別をします。

 → 意識状態がおかしい、ひきつけ・けいれんを起こしたら再受診

      → 解熱剤を使っても下がらない、41℃以上は再受診

ぜんそくのある子は、咳こみ、呼吸困難など発作が出ることがありますが・・・

  → 高熱の時期はテオドール、スロービッドは禁止!!吸入で乗り切る。 

(テオドール、スロービッドの成分であるテオフィリンは、けいれんの誘因になるためです。
脳血管関門を通り抜けやすい抗アレルギー剤も高熱期は避けた方が無難です。またオノン・キプレス・シングレアなど抗ロイコトリエン拮抗薬、ホクナリ・テープは使っても構いません。)

A後半戦(3、4日目〜)は、咳、鼻水がひどくなる 

解熱傾向になっていますが、咳、鼻水がひどい時期です。咳こみ、高熱が予定以上続く(気管支炎、肺炎)、耳が痛い(中耳炎)などに注意。加湿、あたたかい麦茶、のど飴など、のどのうるおいを欠かさないようにしましょう。

なお小児は病気の経過中にA,B型を問わず数日を開けて2回発熱することがあります。タミフル内服例でもやはり2回発熱する場合があるようです。

 治療

1.安静  「お母さん付き布団」 
 インフルエンザは普通感冒とは異なります。中耳炎、気管支炎など合併症も多く「風邪は万病の元」の代表格。電気毛布などで暖めてはなりません。(予想以上に高熱になることがある)
たっぷりと休養を取りましょう。解熱後2日まで出席停止です。社会を守るために休みましょう。
インフルエンザにかかって一番心配なのは(乳幼児)、お年寄りです。

2.水分補給・熱の放散
 自然経過の場合、最初の3日間は38−40℃の高熱が続く(朝方、解熱することがある)のが特徴です。リンゴジュース、果実、イオン飲料で十分に水分を摂取させてください。
最近では「飲む点滴」乳児用イオン飲料が発売されており、塩分・糖分の補給が簡単にできます。
 ちなみに脱水症と判断したら私は10kg程度の児には200〜400ml程度、20kg児には500ml〜の輸液を行います。(コップ1〜2杯位は飲んでね、ということです。)
 体を冷やすのなら脇の下、頭、首を冷やす、自動車のオーバーヒートと同じ、熱の放散を図ること(決して厚着をさせない、こたつ・電気毛布に入れない)、頭の中から熱を運び出してくれるのも水分が大切なので、水分を少しずつ。
今、お家の中にお薬がなくとも、今すぐ病院に行けなくとも、あなたにできることはいくつも残っているはずです。
 「こたつで暖めるナ!」「電気毛布ダメ」「TVやゲームはだめ」!!
もし寒がる(高熱を出すために悪寒・戦慄が起きると手足が冷たく、顔色も悪くなる)ときについ、こたつに入れたり、電気毛布を考えたりします。くれぐれも過高熱には注意してください。
私の家族や私自身、寒いからとこたつに入って脱水になった記憶があります。「蒸し焼き状態」なのです。くれぐれもご注意を。

2.熱性痙攣の予防・対処
 熱性痙攣はインフルエンザの早期合併症のひとつです。時には1日数回のけいれん発作がみられることがあります。(インフルエンザ脳症のガイドラインでは要注意例になります)
痙攣を起こしたことのない子もインフルエンザのように40℃の高熱が出る病気にかかると、けいれんを起こさないまでも、うわごと・ピクツキ(ビクビクッとなる)がよく出ます。
 けいれんは突然、子どもの意識がおかしくなり、顔色が悪くなり、まるで息をしていない様に見えます。目は一点を凝視、口から泡を吹いたり、手足を突っ張る様になります。ビクビクと手足を動かすこともあります。
 けいれんが起きたら、まず辺りを明るくしてよく観察しましょう。
 ○衣服はゆったりとし、毛布などを払いのけてよく全体が見える様に
 ○嘔吐することがあります、顔を横に向けて
 (舌を噛みそうなときもありますが、本当に噛んだ子はあまり来ません)
 ○TVや時計などでどれくらい続いたか
 ○手足のピクピクが落ちついて意識が戻ったか
 ○手足の動き方は左右、手・足全体か、などを観察

 ○どうしてよいかわからなくなったら119番通報しましょう。
 必ずけいれんは収まります。(数十秒〜数分以内)「窒息しなければ痙攣で死に至ることはありません。」
意識が戻れば、周りのことがよくわかっているか、自分や家族の名前、学校など、よく観察してください。
 ○意識の戻りが悪く、再びけいれんを繰り返すときにはけいれん重積状態といって、けいれんを止める必要があります。

5分以上続くときには救急車を呼び医療機関を受診します

 
日本ではダイアップ坐薬(ジアゼパム)などを使用して熱性痙攣を予防することができます。
 
ただし私は痙攣自体はインフルエンザの時に脳症合併の早期発見のために役立つことがあると考えますので、全ての子どもが予防投与する必要はないと思っています。
ダイアップ坐薬を使用すると子どもが眠ってしまうことが多くなり、大切な水分・食事を摂取する機会を失うのではないかという危惧もあります。
 痙攣を繰り返し脳症との鑑別のために入院させた子どもには最初の痙攣を抑えた後は、少なめの塩分を含んだ点滴を行い、熱を外に運び出せる様にして、経過観察を行います。
 何度も繰り返して痙攣発作をおこした既往のある子どもは予防する手があるよ、でも子どものことをちゃんと観察してね、という説明の仕方をしています。もちろん、痙攣のために何度も入退院を繰り返した、などという場合は予防が大切と考えられます。

 それにしても体温が40℃あれば脳内はもっと高いはず、水分が摂取できておらず超高熱になっていれば子どもたちの未熟な脳は痙攣を起こしても、不思議ではありません。

3.栄養補給

 熱に体が慣れてきたら、うどん、おかゆなど消化の良いものを摂らせましょう。後半戦は嘔吐、下痢症状もよくあります。
嘔気、下痢症状が始まれば食事に細心の注意が必要です。(タミフル自身、嘔気・嘔吐の副作用があります。)

4.対症療法
 「対症療法」とは症状にあわせて治療します、ということです。咳嗽、鼻汁あれば感冒薬を併用し
ます。下痢、嘔吐あれば下痢止め、整腸剤、制吐剤ということです。インフルエンザは後半戦は賑やかな咳・鼻水が特徴です。(だから中耳炎、肺炎を合併しやすいのです。)

5.解熱剤
 以前より新聞報道などで紹介されたとおり、アスピリン、ボルタレン、ポンタールなどいくつかの解熱剤がインフルエンザの経過に悪影響(Reye症候群を起こしやすい)を及ぼすとされ、使わないよう指導されています。
お宅の薬箱の中にボルタレン、ポンタールはありませんか。(他にもいろいろ商品名あり)
これまでに処方された古い熱冷ましの中には現在では小児には禁忌になった解熱剤が含まれているかもしれません。
 小児では従来から使用されているアセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー、カロナール
など)、イブプロフェン(ブルフェンなど)が適しているとされています。

 「熱冷ましは使った方がいいか」の問いに対し、解熱自体は構わない、子どもが水分を摂ったり何とかしのげる程度に解熱を図ることと説明するようにています。
40℃以上の高熱は体内〜脳内ではもっと高熱になっているのですから更なる強力な解熱作戦
(少しずつ水分を補給、輸液など)が必要と考えます。

高熱はウイルスと闘うために体が大量の免疫物質を出すためにインフルエンザではよくみられる症状ですが、高すぎると熱性痙攣を起こしたり脱水、消耗の原因になりますので「そこそこに」下げてあげたいのです。「高熱に注意!」

6.抗インフルエンザ薬
今ではタミフル、リレンザと2つの抗インフルエンザ薬が出ています。
37℃台の軽症例まで使う必要はないと思います。インフルエンザ脳症を起こした児、熱性痙攣重積など脳症が懸念される症例、ぜんそくの重積発作をおこしている児が対象になるのではないかと思います。こういった症例には積極的に使用してきました。
なおタミフルは脳症を予防することはできない、とされています。
発熱期間の短縮(平均0.5〜1日程度)に効果があり、咳・鼻水の期間が短縮する効果がありますが、インフルエンザウイルスは2日までに増殖はピークに達します。お薬の作用はウイルスの増殖を抑えるのみです。2日以内に内服しないと効きません。

副作用
タミフル 一番出会う副作用は嘔吐。まれに顔の腫れ。じんましん。(〜2006シーズン)
報道の影響でしょうか、今年(2007年)は「頭がガンガンする」「興奮した」「幻覚・幻聴」など精神症状に関するものがよく聞かれました。
 もっとも「すぐ熱が下がったし、副作用は全く感じなかった」というご両親も多かったのです。
先日のマスコミ報道でご存じの方が多いと思いますが、タミフルが、インフルエンザが本来もっている精神症状に関与しているのではないかと議論されています。

 中学生の頃にインフルエンザにかかった私自身の体験ですが、高熱が出て診断を受けた夜に体が軽くなるような浮遊感の錯覚がありました。後にインフルエンザにかかった弟が、家の周りを走り回ったことや、トイレと間違えて冷蔵庫の中でおしっこをしたこともあります。
(タミフルもシンメトレルもなかった30年近く前の話です。)
 タミフルは、まだ使い始めて数年間しかたっていない薬剤です。
インフルエンザは大多数の子どもはもともと自然治癒する病気です。必ず飲まなければならない薬ではありません。H18年12月〜H19年2月の流行期も、効果の高いA型インフルエンザの場合は、ご家族と「本当に飲ませるべきですか?」と相談しながら処方しています。半分以上の方は要らない、と帰って行かれます。
耐性化が進んだB型にはほとんど処方していません。私の子どもにも使いませんでした。
 なお新型インフルエンザのパンデミックが始まったら、タミフルやリレンザを積極的に使用していく方針です。

リレンザ 吸入するお薬です。小児にも保険適応あり。A,B型インフルエンザに効果あり。
 一昨年までは赤ちゃんでも生理食塩水に溶かして吸入してもらっていました。特に副作用はありませんでした。


 では他にインフルエンザに効果があるお薬があるのでしょうか。
実は診断がつく前の最初から、麻黄湯という漢方薬を処方しています。
私の家族に使用したところ、解熱剤と併用して、よく効いた印象がありました。

 ちなみに(新型)インフルエンザにはいろんな発熱の仕方があります。季節型にはタミフルや
リレンザを使わなくてもさっさと解熱、回復する症例があります。1〜2日で解熱する子もいます。

インフルエンザはほとんどが治る病気です。家族に見守ってもらい自宅で寝ているのが一番です。

 合併症
 よくあるのが、
@中耳炎 A喘息・クループ(ケンケン、オットセイのような咳) B C気管支炎
D1〜2日目に多い熱性痙攣 >>E脳症

インフルエンザ脳症
「みんなが脳炎・脳症になるわけではない」「(インフルエンザの診断に限らず)意識障害、繰り返すけいれんがあれば来院」
症状
高熱に続いて、意識障害、痙攣が出てくるもの。
 自分や家族の名前、学校などの質問が理解できない。
 痙攣・嘔吐を繰り返す。


 @両親がわからない、いない人がいるという。(人を正しく区別できない)
 A自分の手を噛むなど、食べ物と食べ物でない物を区別できない。
 Bアニメのキャラクター、象、ライオンなどが見える、など幻視・幻覚的訴えをする。
 C意味不明なことばを発する、ろれつがまわらない。
 Dおびえ、恐怖、恐怖感の訴え・表情
 E急に怒り出す、泣き出す、大声で歌い出す。
(@〜Eはインフルエンザ脳症ガイドラインより引用させて頂きました)


繰り返しますが、みんながそうなるわけではありません。
最初の1−2日は過高熱に注意し、子どもの状態から目を離さない。
こたつなど間違った家庭療法をしない、熱を上げる手伝いをしない、
最初の2日間をなんとか乗り越えることができたら今度は咳・鼻水、胃腸症状に注意していく。悪化時は早期に医療機関を受診させる、ことを忘れないでください。

 

よくある質問
 インフルエンザになったら脳炎(脳症)になりますか。
いいえ、誰もがそうなってしまうわけでは決してないのです。ただし脱水や全身状態を悪化させることはしない方がよいでしょう。(ボルタレン、ポンタールなどの強い解熱剤、こたつで暖めすぎるなど。)高熱の間は、意識障害・嘔吐・けいれんに注意しましょう。 

 入院しなくてよいですか。
はい、多くの症例は新型、季節型とも自宅療養で十分治せます。
熱性痙攣を繰り返し脳症との鑑別が必要な季節型の症例、脱水を起こした症例が当院入院しました。(毎年数人程)
新型インフルエンザの場合は、脳症や気管支喘息の増悪、肺炎が入院対象になると考えます。
(子どもたちはおうちが一番安心できることを知っています。)

 今からワクチンを接種して間に合いますか。
ワクチンが効果をあげるまで数週間から1ヶ月ほどかかるために、残念ながら発症してしまうかもしれません。季節型ワクチンは毎年10〜12月に接種するようにお願いしています。
新型ワクチンは「基礎疾患のある小児9才まで、15才まで」を接種します。

赤ちゃんのインフルエンザはどうなりますか?

 生後半年に満たない乳児の場合、当院で診療した季節型の症例は比較的軽症の印象でした。
発熱は1〜2日程度で自然に解熱し、大きな子と同様に咳嗽、鼻汁が続きました。気管支炎などは注意が必要かと思われます。生後1才(それ以下はご家族と相談の上)からタミフルは処方できます。

気管支喘息がありますが大丈夫でしょうか。
 インフルエンザとともに喘息大発作を起こしてしまう例は皆無ではありません。全体を通して咳、鼻汁はひどくなりやすく気管支炎、中耳炎には注意しましょう。ご両親と相談の上、タミフル、リレンザの処方を考慮します。
またインフルエンザにかかったことで、その後に喘息発作を起こしやすくなるか、といえばRSウイルスやマイコプラズマに比べると軽い印象です。

 予防
インフルエンザに限らず、病原体の多くは鼻や口から入ってきます。
うがいと手洗い、マスクが一番です。
ワクチンは、今年も原則2回接種を行います。(希望者や成人は1回接種)

当院小児科でインフルエンザワクチンを接種するのは

対象年齢    乳児期より〜
対象とする児 熱性痙攣、気管支喘息をもつ児、そのほか希望する児、その家族
禁  忌      強い卵アレルギーをもつ児

今年もワクチン接種を行います。希望される方はお早めに。

インフルエンザ様疾患
 「インフルエンザを疑って病院にいったのに、”陰性”といわれた。じゃあ、一体この子の病気は何?」
 
似て非なる病気は、この時期にいくつか知られています。
典型的なインフルエンザは、上記の通りです。
高熱、咳、鼻水、頭痛の4拍子そろったものが、インフルエンザ。咳、鼻水のない高熱は意外と検査が陰性になるものです。それもそのはず、インフルエンザウイルスは活動の場所が鼻やのどの粘膜です。咳、鼻水、咽頭痛のない高熱はインフルエンザではないと考えます。
じゃあ、どんな病気があるのでしょうか。

マイコプラズマ  血液検査・レントゲンでわかる。抗生物質で治ります。
 数日前からの咳、鼻汁、咽頭痛、関節痛、下痢あり。発疹もみられる。                発熱38〜40℃に達する。周囲に咳の続く者がいることが多い。肺炎・気管支炎・中耳炎あり。

アデノウイルス(プール熱)
 自然に治る。
 咳はほとんどなし。目やに、鼻汁、嘔吐・下痢あり。発熱は3〜5日間、38〜40℃に達する。

RSウイルス 咳・鼻水が続きますが自然に治る。喘息注意!
 咳・鼻水がひどい。喘鳴(ゼーゼー)あり。発熱38〜39℃台あり数日で解熱。乳児は細気管支炎・肺炎に注意。喘息が出やすいのです。

ロタウイルス 嘔吐下痢の王様、脱水に注意!いずれ自然に治る!
 咳・鼻水あり、嘔吐下痢がひどく1週間程度続く。発熱は1〜2日38〜40℃に達する。軽症例は自然に治るが脱水になることが多いので点滴を行う。

感染性腸炎
嘔吐は比較的少ない、腹痛・発熱・下痢!
 咳・鼻水はみられず次第に発熱の他、腹痛・下痢などがみられるようになる。抗生物質の投与で治ります。

溶連菌感染症 のどが真っ赤!抗生物質ですぐ治る!
 兄弟・家族で咽頭痛あり。イチゴ舌、体に発疹が出ることがある。嘔吐・頭痛・腹痛・関節痛あり。小児は腎炎、リウマチ熱あり検尿を行うほか、10〜14日間抗生物質を飲みます。

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気管支喘息
(H21.9.9)
 毎年、3〜6月、9〜11月は風邪の子どもさんに混じり喘息の子どもさんの来院が多くなります。
外来を定期的に受診し、内服を定期的に続けている子は落ち着いていることが多いのですが、
中にはかぜをひいた、雨、急な冷え・涼しさは喘息を不安定にする場合もあります。
喘息重積発作で入院を経験しているのに「よくなった、治った」と自己判断をしてお薬をやめていると、この季節はご用心。きっと「また悪くなります。」
咳・喘鳴が出る前に、さっそくお薬を処方してもらいましょう。
眠れない咳こみ発作を起こすほどになると、なかなか咳・喘鳴は止まりません。

    
 どんなときに発作がでるのでしょうか。

1.アレルギー
みなさん、ご存じの通り子どもの喘息にはアレルギーが関係するものが多いのですが
ほこりやダニはなんといっても大きな原因になります。
   
猫、犬にアレルギーのある子が実家に行って発作が出たりするケースもあります。
なかには実家で動物を飼っている場合など、その家から来られた方が衣服にアレルゲン(この場合は猫や犬の毛やフケなど)も運んできてしまうだけで喘鳴が出てしまうこともあります。
血液検査でもアレルゲンを推測できることがあります。   

 →
すぐアレルゲンから離れましょう。


2.かぜ(鼻かぜ、咳のひどいもの)、マイコプラズマ、インフルエンザ
 これはみなさん、ご存じの通り。外来でも(家族を含めて)風邪をひいていませんか、とよくお尋ねします。
喘息の子は咳が長引きやすく、症状が続きやすいのです。
    
3.気象・天候

喘息のもつ気管の敏感さのため、急に天候が変化すると(台風、気温差大、湿度、雨)で咳・喘鳴が出やすくなります。同じようなことですが、花火やたき火をすると咳が出やすくなりますね。
風邪をひいているときなど、より発作が出やすくなるようです。最近、調子が良くて薬を飲んでいない子が風邪をひいて、明日、明後日に病院に連れて行こう、と我慢させていたりすると思いもよらない大きな発作になることがあります。

4.運動・ストレス
運動会、遠足、冠婚葬祭、引っ越しなどはストレスとして喘息の発作がでる原因になります。
また叱られるりとゼイゼイする子がいますよね。心身症の1症状として喘息が出ていることもあるのです。

夜間・休日も当院は24時間救急をお受けします。

お咳が出たら 当院配布チラシ
咳こみが止まらなくなり喘息発作が出たな、と思ったら早めに対処いたしましょう。
(我が子も喘息をもっています。定期内服をさせていますが風邪など咳がひどく苦しそうになったら昼休みを利用して薬を処方して持って帰って、すぐに飲ませていました。それほど発作は早く悪くなります。もちろん全例がそうではありませんが自分の子どもさんの喘息の出方をよく知っておきましょう!)
 夜間などお困りの際は健生病院にお電話ください。当直医がおります。診察の上、お薬がでますし吸入などもできます。
 咳・ゼイゼイが出たら痰をしっかり出すために
1)水を飲みましょう(ぬるい麦茶など)コップ2杯

2)座ってしっかり咳(痰)を出しましょう。
休むときは背もたれを入れて頭〜背中の位置を高くして。


3)咳のひどい朝は、保育園、幼稚園、学校などに行く前に病院に寄りましょう。
吸入、お薬を処方します。お家に帰って自宅静養するよう勧めます。
もし眠れないほどの咳こみでしたら受診された方が安心です。


4)昼間は生理的に痰もサラサラ出やすくなり、咳も軽くなって「治った」と思う子も多いですが、疲れは夕方からの咳こみをひどくします。夜間〜早朝の咳のために疲れが目立つ子は思い切って休んで受診してみましょう。

5)日頃から、処方されている薬だけで調子が良くならないときには外来でご相談下さい。治療の中身をステップアップ、あるいは調整します。

 喘息の発作は時に生命にかかわります。
チアノーゼ、顔色が悪い、咳き込みがひどく眠れない、あえぎ呼吸で動けない、しゃべれない、胸がペコペコ凹むほどの息づかい、声が震える、意識など反応が弱くなった、など大発作を思わせるサインがでているときは早急に受診しましょう。

「病院に行く前だから朝の薬は飲んでいません」ではダメ。テオドールなど気管支を拡げるお薬は時間がたつと薬が切れてしまいます。病院に着く頃に、呼吸困難が悪化することも。

夜間などでも当院に連絡・受診していただければ3日分程度吸入・お薬など処方できます。

気管支喘息の治療

乳児から使用できるステロイドの吸入液(パルミコート)を処方しています。

既に数種類の吸入ステロイドを導入していますので、選択肢が増えたことになります。


なお、小児気管支喘息治療・管理ガイドラインの改訂に合わせ、乳幼児で処方している

テオドール・スロービッド
について中止、見直しを進めています。
特に発熱時の服用は中止するようお願いします。(けいれんをおこしやすい)
あわせて吸入ステロイドの使用が勧められています。


発作が出たとき、自宅で吸入できたら、とお考えのご両親が多いと思います。
H21/9末までならば東京ME商会のユーロゾルが9980円、スカイネブが14,000円で購入できます。
H22/3末までならばオムロンコーリンのNE-C28が13,000円で購入できます。
小児科外来で使い方をご指導の上、お薬を処方します。



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溶連菌感染症 
(H20.1.18更新)

溶蓮菌感染症は出席停止の病気です。
喉が真っ赤な咽頭痛のひどい子は、
もしかしてそうかもしれません。発熱37〜39℃、舌がイチゴのようになる苺舌発疹(粉をまぶしたような、つぶつぶした発疹です。)を伴えば容易に診断できます。頭痛、嘔気、下痢や腹痛を訴えることもあります。診断を容易につける咽頭炎の所見がなく顔(唇の周囲、鼻の周り)、指先などの発赤、ウロコ様の隆起、お腹の細かいフケ・粒々した皮疹といった皮膚の所見だけのこともあり様々なケースがあるようです。また時間がたち10日間ほどで手足の皮が剥けることがあります。これは溶連菌の出す毒素によるものと考えられています。
 診断は全身の所見のほかに、咽頭を綿棒でこすって調べる迅速診断キットでわかります。
治療は抗生物質を6日間〜14日間内服します。(すぐ止めると、再発しやすい!)
内服ができない、脱水が強いなど特別な理由がなければ特に入院せずに外来通院で治ります。1日ほどで解熱します。
 ただし伝染力が強く兄弟、家族で小流行することがあります。うつる病気ですので隔離が必要です。ただし1〜2日程度で排菌しなくなるため解熱し活気が戻ってきた頃には集団に戻れることになります。
 
なお私たちの体の免疫が溶連菌と戦ってできた免疫複合体(タンパク質)が皮膚や腎臓や体のあちこちの血管に障害を与えることがあり、腎炎、アレルギー性紫斑病といった合併症を起こすことがあります。

 以下の写真は、お母さんの了解を得てご紹介するものです。(ご協力いただいた男の子は、採血でも喉の検査でも泣かない強い子です!)やはり咽頭痛、発熱のために来院されました。

本当に真っ赤な喉なんです!
2週間の内服を終え、おしっこと喉の再検査が陰性でしたので治療を終了しました。
イチゴ舌で来院された女の子は「食べ物がしみる」と訴えていました。

本当にイチゴのようなツブツブです
毎日、お薬を飲んでいる頑張り屋さんです。
次の写真は溶連菌感染症でよくみる皮疹です。咽頭所見はごく軽度の発赤のみ。皮膚症状から
溶連菌感染症を疑いストレプAを行い陽性とわかりました。
(ご協力いただいた男の子、お母さんありがとうございました。)

背中など
よくみられます!

当院では、溶連菌と診断されたら 溶連菌のパンフレット

診断当日  @抗生物質を3日間処方 主にはセフェム系から開始。                                 
              ↓   
診断3日目 A3日目に再診して検尿してタンパク・潜血など腎機能を調べます。        
         元気になれば以後は隔離解除!抗生物質11日分追加処方
              ↓
診断14日目B全部飲みきったら1週間待つ                             
              ↓
診断21日目Cもう一度、再診しのどの検査、検尿を行い異常ないか確かめたらOK!    

血尿
(潜血反応が強陽性)

検尿で異常を指摘されなかったときでも血尿、おしっこが少ない、などおかしいと気づいたら再診が必要です。

【こんなときは再診】
1.元気がない、おしっこの回数が減った、頭を痛がる、体がむくむ。
2.体に発疹が出てきたが薬疹かどうかわからない。
3.腹痛を強く訴えるようになった。
4.・・・どうしていいかわからなくなった。
5.お薬を飲まない 

繰り返し溶連菌感染症にかかる子どもさんがいらっしゃいます。さてどうしてでしょうか。

1.まだまだ、周囲で流行していて抗生物質を中止した途端に再び感染してしまう。
  
→うがい・手洗いを励行しましょう。
2.家族が溶連菌を保菌、あるいは咽頭炎など感染していたのに未治療だった。
 
(この場合、ご両親なども咽頭痛などを自覚していることがあります。)検査・治療しましょう。
3.溶連菌の隠れている咽頭・扁桃に抗生物質を無力化する酵素を出す細菌がいて溶連菌 が守られている。

実際に、完治宣言!して3〜4日後に再来され再び咽頭充血・ストレプA陽性となった症例がありました。けれども再び抗生物質を再開するとすぐに症状が消えてしまいました。ちなみに最初に陽性となってから14日間×2回以上繰り返す場合は、再発熱しなければ治療(内服)をどこまで行うか、ご家族とご相談の上決めています。    


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かさかさ肌・アトピー性皮膚炎

健診、外来診察などで見る、子どもたちのお肌はお腹、背中などザラザラしていることがあります。いわゆるアトピー性皮膚炎や乾燥肌の子どもさんです。この子たちの皮膚は薄く、保水力が少ないためカサカサしています。

きれいな背中
(すべすべしています)


乾燥肌
(ガサガサ・・)
痒くかきむしって湿疹、傷になっているケースもありかわいそうです。スキンケアとして軟膏をお出しできます。ご相談下さいね。お風呂あがりなど乾燥するとき、痒みが出て掻きむしり、湿疹化することもあるようです。

アトピー性皮膚炎で掻きむしり

抗アレルギー剤内服、外用剤で軽快しました。
どんな強力なステロイド軟膏より掻きむしりが一番の大敵です。でも「掻くな、といっても痒いんだから仕方がない。」

顎の周りには汗疹ができるので、とても痒い。

寝る前には、いつも掻きむしる場所ですね。

「?・・なぜ、ボクが?」首の後ろも湿疹の好発部位!

顎から、胸がいつも痒いのです。
治療(上手につきあうためのこつ)
おそらくこれだけで劇的によくなる、という薬は存在しない。
ステロイドは湿疹になった部位の治療に使うお薬、保湿剤は日頃の皮膚のお手当てとして(汗やアレルゲンがしみ込みにくくする)使い分ける。2つを上手に使うと汚いアトピーも、だいぶよくなります。
上の写真の場所には、毎日風呂上がりと朝(時間がないのでよく忘れる→よくありません!)にケラチナミン(保湿剤)を塗っています。いっしょに「あせも」(汗疹)もできて痒いので、レスタミン軟膏も後から塗ります。内服も併用しており、喘息もあるので、オノン、ザジテン、テオドールをいっしょに飲んでいます。
忘れないで
1.アトピーの大敵は、「我が内にあり」 掻きむしってはせっかくの皮膚も台無し!

2.こどもが、いつ掻きむしっているか、よく観察 → 夜間、親も眠っている時間が要注意!!
@お風呂から上がって「いい気持ちの間」はおそらく掻きむしることは少ない。
むしろ、寝る前の布団に入る前後が一番カユイ、掻き壊す時間ではないでしょうか。
この時間をどう過ごさせるかが鍵。
A学童期の子ども 
 カリカリしながら勉強しているとき、誰かから怒られているとき、お説教されているときが掻きむしり時です。受験期を通してアトピーは悪くなりやすいようです。

3.保湿剤、かゆみ止めは、朝・夕・そしてシャワーやプールの後も忘れないで塗る!!
  ※ 1日1回程度では、強いステロイドも大して効果が出ないモノです。

4.湿疹になったら治療をしないと悪化、とびひ(伝染性膿痂疹)の原因にもなります。
ひどいまま放っておくと色素沈着して跡が残りますよ。

5.ステロイドは上手に使うとよく効きます。

6.お母さんがたの毎日のお肌のお手入れと似ています。きれいな皮膚は毎日のお手入れで作られるもの。スキンケアを怠らないで。ママのお化粧の前に、こどもさんのお肌のお手入れも!

よけいなお世話?
【我が家(主治医・スタッフ)の対策】
1痒い場所を.冷たいおしぼりで冷やす。保湿もでき一石二鳥です。

2.お風呂のあとは汗をかいて、熱も残って痒いもの。「湯冷めさせる」のも考え物ですが、寝る時間まで十分、時間をあける。

3.シャンプーや石けんはしっかり洗い流す。予想以上に、シャンプー・石けんの影響は大きいかもしれません。
    

3.抗アレルギー剤は子どもにとって十分痒みを抑える効果のあるものを選んでもらう。眠気に注意。

4.レスタミン軟膏など痒みを一時的に押さえるだけの外用剤を上手に使う。

5.湿疹になった皮膚は痒みが強いので、ステロイド軟膏やアンダームなど非ステロイド系軟膏で湿疹を速く治す。

6.「寝るまでが勝負。」掻きむしりは気をそらすことも大事。
「氷を口の中に1個、放り込んでみたらどうでしょう!?(看護師談)」「絵本でそらす」

大切なこと 当院小児科でもステロイド軟膏・クリームは処方しています。十分、ご説明しますが@湿疹が治った、よくなったから、といって急に止めないこと。A塗る回数を医師の指示通りにゆっくり減らし上手に離脱させること。

7.お母さんがたのお肌と同じで「毎日のお手入れが大切」。よくなってもアトピー性皮膚炎・乾燥肌は汗・汚れ・食べ物のアレルゲンなどが染みこみやすいもの。スキンケアのために保湿剤は活用しましょう。うるおいのあるお肌を毎日保つことです。
   


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うがいと手洗い
外来を受診される皆様、お見舞いなどの場合も、おうちに帰ったらうがいと手洗いをしましょう。水道水で結構です。お買い物やお出かけの後もちゃんと励行しましょう。病原体は、私たちの指先についてきたり、直接口の中に飛び込んできます。
できるだけ換気を心がけていますが風邪のウイルスや細菌など持って帰っているかもしれません。とくに健診、予防接種に来られた元気なみなさん、病院で風邪をもらったら大変ですものね。
    

ちょっと脱線
 よく喘息の子どもさんが来院されるたびにお母さん方に
「あなたが風邪を持って帰らないで」とお話ししています。乳児喘息を始め、
喘息っ子はウイルス・マイコプラズマ・細菌感染などで容易に喘息が出てきます。
親が風邪をひくとどうしても子どもさんにうつしてしまいますものね。



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       手足口病      へばってま〜す
闘病記「手足口病にかかりました」
        〜いよいよ我が家にも手足口病が上陸!〜
                                       
 診断は誰でもできる?
手足口病はコクサッキーウイルス、エンテロウイルスといった仲間が私たちの体に感染することで発症します。最初に発熱することも多く、我が家でも、ちょっと熱いな、くらいにはなりました。手足に「水ぼうそうの発疹を横に引き延ばしたような」小さな赤い水ぶくれをいくつも発見すると、診断は概ね完了。ヨダレが増えたかな、と感じた頃には口の中(くちびる、ホッペタの粘膜、のどの奥)にいくつもの口内炎(イタソウ!)を発見しました。
さあ、ここからが正念場です。手足口の発疹は概ね1週間程度で消えてしまうのですが口内炎は数日から1週間程度の間、華々しく活躍します。
「とにかく痛い!でも必ず治る、なんとかもたせて」
 諦めのよい子どもは「あまりの痛さに」食べるのを止めてしまいます。時には水分すらも…。けれども外来でよくお話することですが一日中洗濯ばさみで舌を挟まれたような、そんな痛みなら仕方ないのでしょうね。
さて、我が子達が食べられた物といえば、果敢にもうどんOK、焼きそばは味のせいか×。ごはんは×。水分といえば牛乳・カルピスウォーターは○、麦茶は最初×〜○。豆乳○。
では外来で頑張った他の子ども達といえば、多くはカルピスウォーター○のようで、外来自販機でも売っている「野いちご」清涼飲料水もOKの子どもがいました。
昨年、私がかかったときにはビールもしみる、舌を動かすのも辛いので「思わず無口になる」有様でした。舌に刺激が少ない冷たーい牛乳(麦茶よりベター。)、冷たい豆腐(醤油は厳禁)、アイスクリーム(溶けかかっているものを舌の上に載せると、痛みが消えて!とても極楽でした。)
あの「口内炎ごとき」のためにおいしいお母さんの料理も食べられず、ジュースも飲めず脱水になるのは悔しい話です。それくらい痛い病気なので仕方ないのですができれば「主治医お母さん先生」の力で治してあげてほしいのです。
アイス、牛乳、カルピスウォーター…なんとか助けてあげましょう。
なお我が家では、軽快し概ね水分が十分摂れるまでに2日半かかりました。
「最後の手段!?」
こんなふうなのでかなりの子どもが脱水状態になってしまいます。
@元気がなくなる、遊ばなくなる Aおしっこが出なくなる
B舌に白い苔がびっしり生える C泣いているのに汗をかかなくなる

こんな時には早めに教えてくださいね。
いざとなれば名物、点滴療法が脱水から解放します。
(2本〜最大4本=200ml〜800ml、1−6h)
でも痛いのは治らないのですよ。ご両親の優しさが気を晴らします。ずっと泣いていて食べないのですが、おなかを触ってみてください。大抵、「ぺっちゃんこ」です。我が子が空腹で、痛みのためせつなくて泣いているのです。かわいそうで仕方がありません。せめてかわいがってあげてください。最後は寝かして時間を過ごさせるしかないのかもしれませんね。

 なお潜伏期は4,5日程度で妹にうつっていきました。
さて最後に隔離の話。麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、インフルエンザ、結核、猩紅熱…などなどいわゆる法定伝染病と違い、手足口病、伝染性紅班(リンゴ病)などは法的な隔離の病気ではありません。けれども、医師の判断した場合には隔離の対象にすることができます。
ではどんな時に隔離(自宅安静)となるのでしょうか。
発熱時、食事・水分も摂れない、遊べない(まともに食べてない子が炎天下で汗を流して遊んでいたらあっという間に脱水に?)
口内炎が落ち着いてよく食べるようになったら解放です。
なお手足の発疹は完全に消えるまで1週間以上はかかり、ウイルスの排泄は手足口病発症前〜発疹消退後まで続きます。発疹がない=うつさない ではないのです。
我が家も、暴れ回っていてウルサイこともあり3日目以降、保育園に出しています。
皆様もお大事に!!                   


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診療時間外の救急対応について

 当院は24時間救急を行っています。診療時間外でも日当直の担当医師(内科、外科、たまに小児科)が外来診療にあたります。赤ちゃん(おおむね生後6ヶ月以降)からお年寄りまで休日、夜間に体調が悪くなったときに診療を受けることができます。小児科医の診察が必要と判断された場合は小児科医呼び出し、あるいは2,3次救急医療機関を紹介しています。
夜間10時までは病院玄関が開いています。その後は、お電話の上、来院ください。

診療時間外にできること
○診察
全身状態の評価(脱水など、明日まで大丈夫かどうかの判断)

○内服・外用など処方

○喘息・気管支炎など吸入・鼻汁吸引

○外傷の処置

○諸検査・点滴
 (担当医が必要と判断した場合に限ります。)

必要な場合は小児科担当医を呼び出し共に診療に当たることもあります。
また連絡がつかない場合であっても責任をもって近隣小児科医をご紹介しています。

また生後まもない新生児など、最初から小児科専門施設を受診した方が子どもさんにとって有益であると判断される場合は、電話問い合わせ、直接来院された場合であっても診療を辞退させていただくこともあります。どうか、御了承ください。

 
         大分健生病院 電話 558−5140