子どもが吐いたとき
<嘔吐下痢>

 嘔吐下痢症は突然の腹痛、嘔吐(食べたものがほとんど消化されていない)がみられます。
 半日ほどで5,6回程度吐くことがあります。
けいれんや意識の様子に気をつけながら様子をみていくと次第に落ちつきます。37〜38℃発熱することもあります。
 前後して排便があり次第に水様便に変わっていくことが多いようです。腹痛が強く排便がなければ浣腸することもあります。(下痢するまでは腸重積、髄膜炎、敗血症まで鑑別しながら経過をみます。)

 嘔吐下痢症状を起こす代表的なものはノロウイルスとロタウイルスです。
 ノロウイルスは乳児からお年寄りまで誰でもかかります。1〜2日の短い潜伏期で3日間ほどで治ります。
 ロタウイルスは乳児から小学校入学頃までの小児に多く、乳児健診〜保育園、幼稚園などで流行します。潜伏期は3日間程度、激しい嘔吐や下痢(1日数回〜10回以上)がみられます。
発熱が1〜3日目にみられ、38〜39℃台になることがあります。多くの場合、自然に下がります。下痢便は時に白色〜クリーム色便になり下痢は5〜7日程度続きます。
おなかがしぶり、腹痛を訴えます。

咽頭充血、鼓膜発赤などかぜ症状(咳・鼻水)も30〜40%みられます。便の中に含まれるロタウイルスを迅速診断キットで診断できます。
 高熱が出たり下痢、嘔吐、咳、鼻水がみられ、子どもたちにとって重くなりやすい病気ですが、しっかり検査を行うことで安心するものです。

<腸重積>
 生後数ヶ月から3才頃までは、ウンチに血液が混じっていないかよく観察してください。いちごゼリー様の血便が出たり、転げ回る腹痛、不機嫌・涕泣を繰り返すなどあれば腸重積も考えます。

<感染性腸炎>

 嘔吐が少なく、腹痛・しぶり腹、発熱がみられるもの、便に血液が混じる、緑色〜黒褐色などいつもと違う軟便〜下痢がみられるものは、細菌感染による感染性腸炎を疑います。
 カンピロバクタは比較的、活気がありますが血便がみられることがあります。数日前の獣肉の摂取をお尋ねすると心当たりがある場合があります。(レバ刺し・トリ刺しが好きな子どもって意外と多いですね。)問診だけで診断がついてしまうこともしばしばです。
 病原性大腸菌は「O157」などたくさんの種類があります。
 明らかな血便は、腸重積の鑑別を行い、O157迅速診断をできるだけその場で行うようにしています。

 高熱、腹痛、下痢の強い印象のあるものはサルモネラ感染症です。
卵(ケーキなども含む)〜獣肉、海産物などから感染します。

緑色の下痢が続く子どもさんの便を潜血反応で調べたところ「陽性」でした。
緑色便〜黒色便、なかには赤い鮮血便を伴うことがあります。上記の便潜血反応もひとつの手がかりにしていなます。
 
カンピロバクタ腸炎による血便  この便をO157迅速診断キットで検査し陰性でした。

調理の際には十分、気をつけて! top↑

@いつも手を洗って調理をはじめていますか。
子どもさんの排便、手洗いの補助の後も、しっかり手を洗ってください。

A冷たい料理は冷たいままで、暖かい料理は温かいままで(あるいは冷やして)

B冷蔵庫は絶対安全ではない。

C「もったいない」より、思い切って捨てましょう。

D感染性腸炎の原因となることの多い細菌は病原性大腸菌、カンピロバクタなど。肉の調理など十分加熱しましょう。子どもはレバ刺しは食べちゃだめ!


治療:おうちでできる看護

吐いたら飲むな!
ゲゲッと吐いた、それも大量に!!子どものお腹は空っぽです。
すぐに喉が渇いた、お腹が空いたと訴えます。けれどもすぐに与えていいものでしょうか。
もちろんすぐに吐いてしまうでしょう。吐き気が落ち着くまで数時間〜半日はお腹の安静のため絶食にしてあげましょう。栄養失調になったりないものかとお考えの方は、あめ玉でもしゃぶってもらいましょう。ウイルスの作用で胃腸の働きは弱っています。身体が「これ以上お腹に負担をかけてくれるな」と訴えて、吐いているのですからしばらく休憩です。うまくいけば子どもはしばらく眠ってくれます。
吐いたらすっきりした、まさしく体の自然治癒力なのです。但しどんどんぐったりしていくときは病院かな。

 少しずつ水分摂取を!
 もちろん数時間〜半日ほど経過し嘔吐が落ち着いたら下痢も始まっている場合もありリンゴジュース、乳幼児用イオン飲料などをごく少量ずつ(うっかりすると大さじ数杯〜)あげてみてください。腹痛がひどくなり、嘔吐を繰り返すようならまだ時期尚早かもしれません。あるいはこの時間くらいになると小児科受診できる時間になっているかも知れませんね。ジュースを飲みながら元気が出て暴れ??始めるようなら大したもの!
そうっと様子をみましょう。吐かなくなれば少しずつ量を増やしてあげましょう。

市販の幼児用イオン飲料を利用する手も
 食べれるようになったら
吐かなくなり食べても大丈夫な時期が来たらもう安心、ただたくさん食べ過ぎると腹痛(最悪、嘔吐)がひどくなりすぐに下痢してしまうこともあります。消化の良いものを食べてもらいましょう。うどん、おかゆなど。家族みんなで同じものを食べると納得してくれるかも。
もっともどうしてもお菓子がいい、といわれたらここまで頑張ったご褒美にちょっぴりあげてもよいかも・・☆

 予防は
吐物、下痢のついたものは他の衣服とは区別した方がよいでしょう。お世話をする方は他の子を世話する前によく手を洗いましょう。ご自分も口や鼻を触らないように。ウイルスはすぐに入ってきてしまいます!
うがい・手洗いです。

【見分けなければいけないもの】
髄膜炎 
 発熱、頭痛、嘔吐は3主徴といって髄膜炎にも特徴的ですが、症状だけみるとよく似ています。
また胃腸炎のウイルスには髄膜炎症状を合併してくるタイプもあり、わかりにくいことも。
ただし突然、「オナカがイターイ!、ゲゲッと嘔吐!下痢してパンツを汚した〜」となれば嘔吐下痢症などおなかの病気を考えますよね。嘔吐、発熱、頭痛を強く訴えるほか意識障害、けいれんなど頭は大丈夫?と思わせる症状が多いときに考えていくのが髄膜炎です。ご心配なときは病院に連絡を。

脱水症
嘔吐下痢で、ご両親がもっとも心配されるのは脱水症です。
「あんなに吐くとは思わなかった」「吐いて真っ青になったんです。」
「吐いたからジュースを飲ませたらまた吐いたんです。」
 嘔吐下痢では、日常茶飯事の症状です。
ただし発症から数時間で瞬く間に重症脱水に陥ってしまうことはまずないと思います。
むしろ、そのままぐったり2日目に突入!しているときなどはおしっこがちゃんと出ているか、下痢・嘔吐の回数を必ずお尋ねします。

腸重積
嘔吐、下痢など胃腸の動きがいつもと違うときに合併しやすいのが、これまで何度か出てきた腸重積という病気です。腹痛が、さっきまでと違う、転げ回る〜強い反復性のある腹痛、嘔吐、血便などを認めるときには、すぐに病院に連絡を仰ぎましょう。


【こんな時は来院!】
1.嘔吐が止まらない 2.下痢がひどく排尿減少した。
3.活気がなくなった。 4.けいれんを伴った場合 
5.どうしていいか、わからなくなった・・・。6.急に転げ回る、反復する強い腹痛
7.血便が出た 8.お薬を飲まない  
 
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診療時間外の救急対応について

 当院は24時間救急を行っています。診療時間外でも日当直の担当医師(内科、外科、たまに小児科)が外来診療にあたります。赤ちゃん(おおむね生後6ヶ月以降)からお年寄りまで休日、夜間に体調が悪くなったときに診療を受けることができます。小児科医の診察が必要と判断された場合は小児科医呼び出し、あるいは2,3次救急医療機関を紹介しています。
夜間10時までは病院玄関が開いています。その後は、お電話の上、来院ください。

診療時間外にできること
○診察
全身状態の評価(脱水など、明日まで大丈夫かどうかの判断)

○内服・外用など処方

○喘息・気管支炎など吸入・鼻汁吸引

○外傷の処置

○諸検査・点滴
 (担当医が必要と判断した場合に限ります。)

必要な場合は小児科担当医を呼び出し共に診療に当たることもあります。
また連絡がつかない場合であっても責任をもって近隣小児科医をご紹介しています。

また生後まもない新生児など、最初から小児科専門施設を受診した方が子どもさんにとって有益であると判断される場合は、電話問い合わせ、直接来院された場合であっても診療を辞退させていただくこともあります。どうか、御了承ください。

 
大分健生病院 
電話097−558−5140